LACOSTE SS27 RUNWAY SHOW | DRESS CODE:NO WHITE REQUIRED

2026年10月05日

ローラン・ギャロス・スタジアムの象徴的なセンターコート、フィリップ・シャトリエを舞台に発表されたラコステの2027年春夏ランウェイコレクション。今シーズンは、テニスコートのクレーそのものを、コレクションを構成する重要な要素として捉えています。

会場には大量のクレーが積み上げられ、ゲストは、クレーが生み出される工場を思わせるスチール製の客席に着席します。ランウェイは、テニスにおいて最も技術が問われるサーフェスのひとつであるクレーコートの上を、無限大のループを描くように続きます。

テニスは、ファッションにプレッピーというスタイルをもたらしたスポーツのひとつです。真っ白なウェア、厳格なマナー、整然としたグリーンの芝。その象徴的なスタイルを、コートの内側から変えた2人のチャンピオンがいました。
1920年代、スザンヌ・ランランはコルセットを脱ぎ、ふくらはぎ丈のプリーツスカートでコートに登場しました。自由な動きを可能にしたそのスタイルは、プレーのリズムを変えただけでなく、テニスウェアそのもののあり方にも変化をもたらしました。
そして、ルネ・ラコステは、より軽やかに、快適に、そして速くプレーするために袖を短くカット。スポーツウェアに根付いていた堅苦しい伝統から一歩踏み出しました。その革新的な発想から生まれたのが、今日まで受け継がれるポロシャツです。
スタイルを変えるきっかけは、ときに大きな反抗ではなく、静かで正確なひとつのアクションから生まれます。
2027年春夏シーズン、LACOSTE クリエイティブ・ディレクターのペラジア・コロトロスは、テニスウェアが単なる「装い」から解放され、個性を表現するものへと変わった瞬間に改めて光を当てます。
DRESS CODE:NO WHITE REQUIRED
白である必要はない。

ペラジア・コロトロスが描くのは、プレーによって刻々と表情を変えていくコートです。激しいフットワークによってラインは次第にかすみ、クレーはウェアの裾に付着します。汗さえも、プレーを成し遂げた証となります。
これまで「不完全」と捉えられてきたものを、努力や達成の証として肯定する。その痕跡こそが、今シーズンのコレクションを形づくる新たな美意識となっています。
ウェアは身体を型にはめるのではなく、その動きに寄り添います。テーラリングは身体を締め付けることなく、しなやかに沿うように仕立てられています。
サーブを打つ直前の静寂。生地の重さ、コートに引かれたライン、息を吸い、そして一気に力を解き放つ瞬間。そうした一瞬一瞬に宿る感覚が、ウェアのディテールにまで反映されています。

LACOSTEが培ってきたヘリテージとテクニカル素材を融合しながら、今シーズンは素材そのものに新たな変化を加えています。
プレッピーを象徴するスタイルから、堅苦しさや形式的なルールを取り払いました。コットンには製品染めや酵素洗いを施し、構築的なフォルムを柔らかくするとともに、身体の動きを引き立てます。トロピカルウールは解体することで軽やかな表情に仕上げ、シルクにはウォッシュ加工を施すことで、あえて不完全さを残したリラックスした佇まいを生み出しています。
ジャージーニットには、通気性と動きやすさを高めるため、計算されたパーフォレーションを施しています。パフォーマンス素材も自由にロールアップして着こなすことで、よりリラックスしたスタイルを提案します。
ランウェイには、深みのあるティールカラーのオーバーコートや、柔らかな仕立てのスーツが登場します。ゆったりとしたシルエットをベルトでウエストマークし、ランヤードやアシッドイエローのペンダントをアクセントに加えています。
オーバーサイズのピケポロシャツには、テクニカル素材のロングスリーブジャージーをレイヤードし、ハーフプリーツのスカートを合わせています。
鮮やかなコバルトブルーのナイロン製トラックスーツや、ヴィヴィッドなオレンジのジップベストからは、試合前のウォームアップを思わせるエネルギーが感じられます。
一方、ホワイトのコートとワイドパンツには裾にクレーの跡が残り、まるでコートそのものが勝利を収めたかのような表情を見せます。ラフにシワを残したコットンやグラフィック T シャツが加わり、着る人それぞれのスタイルに合わせて自由にアレンジできるワードローブを完成させます。

アクセサリーにも、コートからストリートへとつながる今シーズンのムードが反映されています。
ひとつ目は、1984年にアーヴィング・ペンが撮影したLACOSTEの象徴的なポロシャツの写真から着想を得たバッグです。Tシャツやランヤードにも通じるイメージを取り入れた、柔らかなドレープ感のあるデザインで、斜めに配したフラップがコットンピケの襟元を思わせる自然体のニュアンスを演出します。ホワイトからクレーへと移ろうグラデーションや、ミラーフィニッシュのシルバーで展開されます。
もうひとつは、彫刻的なフォルムが特徴の「ACE-T1」ケージスニーカーです。伸びたテニスネットから着想を得たデザインは、強さとスピードというテニスの本質を表現しています。スニーカー、テニスボールを思わせるウェッジ、そしてレースアップパンプスという3つのスタイルで登場します。
カラーもまた、試合を終えた後のテニスコートからインスピレーションを得ています。太陽に焼かれたクレーを思わせるテラコッタや、ミネラルを感じさせるアースカラーをベースに、シルバー、アシッドイエロー、コバルトブルーが鮮やかなアクセントを添えています。

LACOSTEの2027年春夏コレクションが見つめるのは、若きルネ・ラコステが初めて袖にハサミを入れたときに示した、ひとつの自由な発想です。
大切なのは、ユニフォームそのものではなく、そこからどれだけ自由になれるか。
DRESS CODE:NO WHITE REQUIRED
その精神を受け継ぐ今シーズン、着こなしに決められたひとつの正解はありません。
ただひとつのルールは、自分らしくあることです。